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カンボジアの文化や伝統の奥深さを象徴する
伝統絹絵絣(きぬえがすり)「ピダン」


アートを楽しむ毎日

  • 更新日: 2013/8/29
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■阪急うめだ本店


ヴェッサンタラ太子(前世の物語の一つ) 2012年制作

カンボジアの伝統織物文化の中でも、伝統絹絵絣(きぬえがすり)『ピダン』は、カンボジアの文化や伝統の奥深さ、技能のすばらしさを象徴するものです。

日本・カンボジア友好60周年を記念し、日本で初めての『ピダン』展が阪急うめだ本店の「アートステージ」で開かれています。

仏陀の様々な前世についての物語(ジャータカ)のひとつである、ヴェッサンタラ太子の物語は、カンボジアで最も愛されている物語。
生まれついて布施を施すことに喜びを見出す太子は、持てる富だけでなく、妻子までも布施しますが、最後には王位につくというストーリーです。

世界文化遺産アンコールワットに象徴されるように、絹絵絣に込められたカンボジアの文化的宗教的な世界観には目を見張るばかり。


シッダールタ太子が悟りを開いて仏陀になる仏伝 2005年制作

こちらはシッダールタ太子が宮殿を出て悟りを開き、仏陀となるまでのエピソードを1枚のピダンに表した作品。
図様にまったく繰り返しがなく、膨大な作業によって出来上がったことが見てとれます。

会場で、『ピダン展』を企画した、特定非営利活動法 幼い難民を考える会 カンボジア事務所所長、関口 晴美さんにお会いしました。

関口 晴美さん

カンボジアのプノンペンに在住する関口さん。
「この絹織物が『ピダン』と呼ばれるのは、お寺の天井に飾られて、カンボジア語で天井をピダンと呼ぶことに由来しています」と教えてくださいました。
カンボジアの内戦前、人々はお寺にピダンを奉納し、お盆、結婚式などの仏教儀式の時に飾ったそうです。

ピダンは心を込めて制作して仏に奉納する気持ちから作られています。
ピダンが仏像を守る“覆い”となるのと同様に仏が自分を守り、無病息災、平穏無事に生きることができるよう仏が助けてくれることを願い、作られたものです。



カンボジア内戦からの復興と人々の生命力をテーマとし、阪神・淡路と東日本大震災から復興する日本の人々との交流と友好、そして人々の平和な暮らしが続くようにとの願いを込めて選ばれたピダン。
主な絵柄は、生命の樹、海、ナーガ(蛇・龍神、守護神)、シップクロス(船柄)、バイサイ(バナナの葉と幹で作る供物)、動物、孔雀、シッダールタ太子が悟りを開くまでの物語など。



カンボジアの絣織りは、緯糸(よこいと)に模様を括ります。
ピダンは80束から200束、複雑な模様の場合には、1,000束にもなる緯糸の束を作ります。

高度な技術と複雑な絵柄に込められたカンボジアの文化と信仰。
ピダンの一枚の布から、平和への祈りが静かに広がってゆくようです。

■日本・カンボジア友好60周年記念
 カンボジア伝統絹絵絣(きぬえがすり)『ピダン』展 <展示+販売・入場無料>
 【同時開催】手仕事の美 アジアの染と織展
◎阪急うめだ本店 9階 アートステージ
◎2013年9月3日(火)まで ※催し最終日は午後6時終了

◆幼い難民を考える会 カンボジア事務所所長 関口 晴美さんによるトークイベント(列品解説)
◎阪急うめだ本店 9階 アートステージ
◎2013年8月31日(土)・9月1日(日) 各日 午後2時~2時30分


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