フランスフェア / 阪神百貨店建て替えプロジェクト / 中国の寧波への出店

FRANCE FAIR

フランスフェア

阪急うめだ本店では、フランス、英国、イタリア、ニューヨークの海外催事を開催している。その中から、今回は、毎年3月に開催され、1週間で十数万人ものお客様にご来場いただく「フランスフェア」のプロジェクトを紹介する。企画から開催まで様々な部署・人が力を合わせ、約1年かけて入念に準備されるプロジェクト。随所にまでこだわって作り上げられる阪急うめだ本店ならではの催事について、3人の社員にその醍醐味を語ってもらった。

  • 白井 康之 販売促進部
    店内催事部
    2001年入社

  • 立川 智一 販売促進部 
    宣伝広報部
    2011年入社

  • 田中 成人 フード商品統括部
    フード催事商品部
    1974年入社

プロジェクトの始動は、フェアを終えた次の日から。

今回で6回目を迎える「フランスフェア」。この人気催事の下準備は、前回のフェアを終えた時点から始まる。前回の企画の成功点、反省点を踏まえて次年度の企画を立案するのが、催事が終わった翌月の4月。企画の重責を担うのが、店内催事部の白井だ。

「フランスフェアは来場されるお客様の年齢層が年々若くなっており、スイーツや雑貨など、若い女性の嗜好をより意識した方向で企画を進めました」。

企画を立てるにあたっては、雑誌や専門誌、ホームページなどの情報はもちろん、フランスに在住しているコーディネーターや、フェアを後援してくださるフランス観光開発機構といった政府機関からの情報も参考になる。数ある情報の中から、白井はフランス一のスイーツ王国とよばれるアルザス・ロレーヌ地方に着目した。

「この地方のパティスリーは、パリはもちろん日本のパティシエが修行に行くほど。過去にドイツ領だったこともあり様々な文化が融合した魅力的な土地であることも決め手になりました」。

企画にゴーサインが出ると、白井は早速、現地視察のためにフランスに飛んだ。

難航を極める出店交渉。一品一品へのこだわり。

パリから高速列車(TGV)で2時間。木組みの家々が立ち並ぶドイツ文化がほのかに香るこの地方で、白井はあらかじめ日本で得ていた情報をもとに、レストランや雑貨店を一軒一軒回り、出店交渉にあたった。だが、交渉は難航を極める。

「交渉先は地元でも行列ができるほどの人気店ばかり。しかもオーナー一人やその家族で経営しているお店がほとんどです。そんな中、なぜわざわざ日本まで行って百貨店の催事に出なきゃいけないの?と、ご理解いただけないことも多々あります」。

 何度行っても断られることもある。また、一度快諾いただいても、後になって出店を辞退されることもある。そうした時こそ何度も粘り強く交渉を続け、人間同士の信頼関係を築くことが大切なのだと白井は言う。

「お一人での参加が不安であれば従業員の方もご参加ください、とお話しします。時には、オーナーさんの人生相談に乗ることもあります。オーナーさんの不安を解消し、『楽しく、ワクワクする気持ちで日本にいらしてください』とお伝えするようにしています」。

 日本でフランスの味が再現できるかどうか不安になられるオーナーに対しては、レシピを持ち帰って日本で再現し、出来上がったサンプルを現地に空輸することもあるのだという。

「こうして一品一品、自分の目と舌で吟味をしながら、こだわりぬいた商品を選ぶようにしています。その全てがフェアの成功にかかっていると思うと責任の重さを感じますね」。

基準をクリアした厳選されたモノのみが生き残っていく。

フランスでの食べ歩き、雑貨の吟味と聞くと「なんて楽しい仕事だろう」と思われる方もいるかもしれない。しかし、白井曰くフランス出張には苦労話が尽きないようだ。

「まず胃袋が強くないと無理ですね。フランス料理は量が多いので、3日目には胃が重くなってきます。3〜4㎏は太って日本に帰ってきますね」。

海外ではトラブルもつきまとう。以前のフランス出張では、現地のコーディネーターが急病で連絡がとれず、到着したその日にモンパルナスで路頭に迷った(?)こともあったという。

「夜中の1時までカフェで粘って、閉店後しばしバス停で佇んでいました。しばらくして、オペラ座の近くに24時間空いているネットカフェがあることを思い出して、そこで一夜を過ごしました」。

苦労して探し求めてきた商品の数々。しかし、それで終わりではない。日本に持ち帰った品々をもとに、食品・雑貨・服飾のバイヤーとともに出店に値する商品かどうかを検討する会議が続く。現地で名産品と紹介され、持ち帰ったものであっても、その味が出店にふさわしくないと判断されればアイテムからこぼれ落ちる。商品の専門家であるバイヤーたちの厳しい目が光る。

「例えば、品質管理の問題などです。衣料品を例にとると、縫製の基準を満たしているかどうかなどのチェックが入ります。いくら現地で人気のあるグッズだとしても、阪急阪神百貨店が販売できる安心・安全な品質でなければ、お客様に提供することはできないのです」。

紆余曲折を経て、出店する商品のラインナップが出揃うのが7ヶ月前の夏頃。輸入する商品についてはバイヤーとともにインポーター(輸入業者)を探し、取引先との交渉が始まる。そして、出店の決定と事前の打ち合わせのために、秋には再度フランスへと飛ぶ。フェアの内容が確定すると、次は集客のための広報戦略を立てる。セールスプロモーションも、フェアを成功に導くための重要なファクターだ。

当日の様子をCHECK

当日の様子をCHECK