阪急百貨店会社設立まで

年　月 阪急百貨店 阪神百貨店 社会・業界
1907年（明治40年）
5月
10月

箕面有馬電気軌道株式会社
設立

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三越大阪店開店
1918年（大正7年）

箕面有馬電気軌道株式会社から
阪神急行電鉄株式会社に社名変更
1920年（大正9年）
11月

阪急電鉄直営
「梅田阪急食堂」開店

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1924年（大正13年）
9月

日本百貨店協会
設立
1925年（大正14年）
6月

5階建て阪急ビル2・3階に
直営「阪急マーケット」を開店

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1926年（大正15年）
12月

12月25日
大正天皇崩御、
昭和と改元
1927年（昭和2年）
4月

大丸神戸店
新築開店
1928年（昭和3年）
9月

「阪急百貨店」準備委員会を設置
1929年（昭和4年）
3月
4月

阪急ビル１期工事竣工
「阪急百貨店」開店

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1930年（昭和5年）
4月

三越銀座店開店
1931年（昭和6年）
9月
12月

第2期増築開店

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満州事変勃発
1932年（昭和7年）
1月
11月




12月

第3期増築開店

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通信販売を開始

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上海事変勃発
1933年（昭和8年）
1月

3月

5月
7月


9月

10月
12月





地階冷房開始


阪神電気鉄道株式会社の付帯事業として旧梅田停留場に「阪神マート」を開業

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三宮阪神ビル竣工、神戸そごうに賃借



阪神電気鉄道
梅田停留所２階で
「梅田直営洋食堂」開店

ドイツ・ヒットラー
内閣成立

日本が
国際連盟脱退

大阪市営地下鉄
心斎橋-梅田開通



伊勢丹新宿本店
開店

そごう神戸三宮店
開店
1934年（昭和9年）
9月
12月

本格的な外販を開始

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室戸台風により
19府県で2,500人
死亡
1935年（昭和10年）
10月

大阪市営地下鉄
心斎橋-難波開通
1936年（昭和11年）
2月
3月




4月





10月

第4期増築開店

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株式会社三宮食料品店設立

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「神戸支店（三宮阪急）」開店

青年将校決起、
大蔵大臣らを殺害











岩田屋百貨店開店
1937年（昭和12年）
1月
5月


11月

「三宮食料品店」を
「三宮阪急直営マーケット」と
改称

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旧株式会社阪神百貨店設立




大鉄百貨店
（現あべのハルカス
近鉄本店）開店
1938年（昭和13年）
4月

大阪市営地下鉄
難波-天王寺開通
1939年（昭和14年）
3月
9月



12月

新梅田停留場で
「東阪神マート」開店

第2次世界大戦
始まる
ドイツ軍が
ポーランドに侵攻

東宝株式会社設立
1940年（昭和15年）
5月
7月

小林一三 第２次近衛内閣
商工大臣として入閣

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「阪神マート」を大阪駅前
地下の本店の現在地に移転

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1941年（昭和16年）
4月
8月

梅田阪神ビルディング第１期工事竣工

梅田阪神ビル地下1階
「直営阪神食堂」開店
1942年（昭和17年）
8月

「阪神マート」を「阪神地下大店」に改称

1943年（昭和18年）
10月

阪神急行電鉄は京阪電気鉄道と合併し
社名を京阪神急行電鉄に変更
1945年（昭和20年）
3月

6月
8月
10月


大阪事務所戦災消失、甲子園球場へ臨時移転


「阪神地下大店」を
「阪神ストア」と改称

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大阪大空襲

神戸大空襲


第2次世界大戦
終戦
1946年（昭和21年）
8月
12月

「阪神ストア」を「阪神マート」と改称

経団連発足
1947年（昭和22年）
3月






4月




5月
9月
12月

京阪神急行電鉄より分離独立し、株式会社阪急百貨店(現エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社)設立

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「阪急百貨店」開業

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社内報「阪急」創刊

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「阪神マート野田店」開店












日本国憲法施行

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1907年（明治40年）10月

箕面有馬電気軌道株式会社設立

1907年（明治40年）10月、小林一三らによって箕面有馬電気軌道株式会社（阪急電鉄の前身）が1907年（明治40年）10月19日設立された。1910年（明治43年）に、梅田-宝塚間、石橋-箕面間の営業を開始。小林一三は、日本最初のＰＲ誌とされる「最も有望なる電車」を発刊。その２年後に、住宅開発に取り組み、日本初の住宅ローンによる販売を行い、たちまち売約済みとなった。

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1920年（大正9年）11月

阪急電鉄直営「梅田阪急食堂」開店

阪神急行電鉄梅田駅に竣工した阪急電鉄本社ビル（阪急ビルディング）2階に1920年（大正9年）11月5日、阪急電鉄直営の「梅田阪急食堂」を開業。どこよりも安く、清潔で、おいしく、チップ不要の原則を貫き、好評で予想以上の業績をあげた。

1925年（大正14年）6月

５階建て阪急ビル2・3階に
直営「阪急マーケット」を開店

1925年(大正14年)6月1日、阪急電鉄本社ビル2・3階に従業員60人をもって阪急電鉄直営の「阪急マーケット」が開業。フロア面積は両階とも264㎡だった。午前9時の開店とともに予想以上の顧客が押し寄せた。宝塚売店や電鉄各部門からの応援100人を超える店員が売場に立ったが、顧客の整理もままならないほど終日混雑し、うれしい悲鳴をあげた。なかでも2階の食料品売場、3階のストローハット(カンカン帽)売場は混雑が激しかった。ここに、阪急百貨店の前身である「阪急マーケット」は歴史的な第一歩を記すことになった。

1929年（昭和4年）4月

「阪急百貨店」開店

1929年（昭和4年）4月15日、阪急電鉄直営の「阪急百貨店」が鉄道駅に直結する、世界初のターミナルデパートとしてオープン。オープンに先立ち、官公庁、新聞社、仕入れ先、沿線の乗客などを招待して開業披露を行った。沿線の人々を招くという従来にないスタイルは、小林一三の経営理念を象徴するものだった。

1931年（昭和6年）12月

第2期増築開店

建て替え以前の「阪急うめだ本店」は、8期にわたる増床を重ねた。1931年(昭和6年)2月2日、「阪急百貨店」の東隣で第2期増築工事に着手。5階建ての旧阪急電鉄本社ビルの跡地に、同年11月29日に完成、12月1日開店。第2期館は、建築面積992㎡、地下1階地上8階建、延床面積9,831㎡で、第1期ビルと合わせると建築面積2,079㎡、延床面積20,453㎡となり、それまでのほぼ2倍に拡張した。なお、第2期工事竣工の翌30日、第3期増築工事に着手した。第2期館1階は、第1期館と合わせて阪急電車梅田駅コンコースとし、地階の大部分と2階から6階までを売場、7階を和食堂、8階を洋食堂に拡張したが、新装開店の12月に限り第1期館の7階部分は催物会場とした。

1932年（昭和7年）11月

第3期増築開店

第3期館は、地下2階地上8階建てで、第1期・第2期増築部分を合わせると延床面積は、約40,000㎡となった。1932年（昭和7年）11月20日に開店、6階に古美術品売場と茶室「福寿荘」を新設。その第1回催事は、古美術に造詣が深い小林一三の発案で結成された、大阪の古美術商10店が参加する「充美会」主催の古美術品陳列即売会であった。

1932年（昭和7年）12月

通信販売を開始

第３期増築の完成とともに本格的百貨店として歩み始めた「阪急百貨店」は、1932年（昭和７年）12月15日より掛売係において通信販売を開始した。翌1933年（昭和８年）1月には通信販売係を新設し、これにあたらせた。すでに各百貨店は販売で相当な収益をあげており、地方新聞はもとより全国紙を使用した一面広告でそれぞれが大々的にアピールしていた。通信販売は「どこよりも良い品を、どこよりも安く」という「阪急百貨店」のキャッチフレーズを日本全国に浸透させ、これを販売に結び付ける絶好の機会だった。

1934年（昭和9年）12月

本格的な外販を開始

1931年（昭和6年）の第２期、翌1932年（昭和7年）11月の第3期増築とともに呉服売場は充実し、「京呉会」、「錦繍華燭展」という盛大な催し物を開催するまでになった。しかし、呉服の販売は、外販の比重が高く、売上げに大きなウエイトを占める。そこで、呉服の外販員の養成に力を注ぎ、販売センスを備えた店員をよりすぐって教育し、本格的な外販開始に備えた。1934年（昭和9年）12月、小林一三は本格的な外販の開始にあたり、自らその挨拶状をしたためた。お得意様に対して、これまでの呉服への取り組みを通じて外販への自信がでてきたこと、今後もいっそうの努力を続けることなどをありのままに訴えたものであった。

1936年（昭和11年）3月

第4期増築開店

1936年（昭和11年）3月21日、全館新装開店。新館と本館を合わせると総面積56,200㎡の東洋一の大百貨店となった。同時に、「梅田阪急食堂」も大幅に増床し、日本で最大の食堂となった。同年7月の1日の平均客数45,000人。洋食の人気1位は、30銭のランチ（エビフライ・ミンチボール・ライス・コーヒー付き）で1日15,000食、2位は20銭のライスカレー（コーヒー付き）で13,000食の注文があった。

1936年（昭和11年）4月

株式会社三宮食料品店設立

1936年（昭和11年）4月10日、「神戸阪急直営マーケット」の前身の株式会社三宮食料品店が阪急神戸会館地階に誕生した。営業時間は午前９時から午後９時までで、年中無休だった。開業当初から買いやすいマーケットとして好評で、地元の顧客をはじめ、阪急電車、国鉄、阪神電車の乗降客が詰めかけ、順調な業績をおさめた。

1937年（昭和12年）5月

「三宮食料品店」を
「三宮阪急直営マーケット」と改称

1937年（昭和12年）3月23日に「阪急直営マーケット」の商号を登記し、5月1日には三宮食料品店を「阪急直営マーケット」の名称のもとで営業を開始した。その一切を阪急百貨店が管理していることから、「三宮食料品店」時代から顧客に信頼感を与えるとともに「どこよりも良い品を、どこよりも安く」の精神が全店にいきわたっており、食料品の「阪急」として親しまれた。同年10月12日、東館の神戸会館２階に化粧品、文房具、玩具の売場が開設された。当初は予想通りの業績をあげていたが、折からの戦時体制への突入の影響で客数は次第に減少し、2階売場は１年半で閉鎖することになった。

1940年（昭和15年）7月

小林一三 第２次近衛内閣商工大臣として入閣

1933年(昭和８年)11月、東京電燈の社長に就任した小林一三は、西で鉄道と百貨店と歌劇団を経営しながら、東では基幹産業の代表である電力会社の再建に取り組んだ。この頃、各界の一三への評価は、「関西の財界人」から「日本の財界人」へと書き換えられていった。第2次世界大戦が勃発した1939年（昭和14年）頃からは、中央電力調整委員会委員など広い視野と果敢な決断力を要する公職も多くなった。1940年（昭和15年）7月22日、ときの内閣総理大臣近衛文麿から商工大臣への就任を要請され、受諾した。東京電燈会長など多くの要職から身を退いての入閣だった。自由経済の堅持を主張する一三は、当時の統制強化の流れの中で悪戦苦闘した。とくに統制政策の推進役である企画院や商工次官の岸信介と激しく衝突した話は、いまに語り継がれている。

1947年（昭和22年）3月

京阪神急行電鉄より分離独立し、
株式会社阪急百貨店
（現エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社）設立　

1947年（昭和22年）2月22日午前11時、「阪急百貨店」８階東館特別食堂において株式会社阪急百貨店の創立総会が開催された。この席上、1947年（昭和22年）４月１日から株式会社阪急百貨店として営業開始する件などが承認された。京阪神急行電鉄常務取締役であった清水雅が創立総会で社長に選任された。３月28日臨時株主総会が開催され、取締役・監査役全員と株主１５人が出席し、議長は取締役社長の清水雅が務めた。京阪神急行電鉄から株式会社阪急百貨店が譲り受けることになる資産の内容などについて詳細な説明を行い、議案審議に入ったあと、すべての議案について出席株主全員の承認を得た。

1947年（昭和22年）4月

「阪急百貨店」開業

阪急百貨店は、京阪神急行電鉄から独立した事業体として歩むことになり、1947年（昭和22年）3月7日に株式会社阪急百貨店として設立登記を完了。同年4月1日、「うめだ本店」「神戸支店」「天満橋支店」が一斉に営業を開始。それぞれの店で「全店独立記念特別奉仕大売出し」を開催した。街の各所に戦争の傷跡が見受けられたが、新しい一歩を踏み出した阪急百貨店の社員は清新の意気に燃えていた。

1947年（昭和22年）12月

社内報「阪急」創刊

電鉄事業から分離独立によって新しい体制でスタートした「阪急百貨店」は、1947年（昭和22年）12月20日、社員相互のコミュニケーションを図るために社内報「阪急」の創刊号を発行した。終戦から2年が過ぎ、新会社として再出発したとはいえ売場の整備を進めながら営業を続ける中で、社内誌を発刊したことは、百貨店業界はもとより、他の産業界にも影響を与えることになった。これ以後、企業各社は機関誌「阪急」の発刊にならうかのように、相次いで社内誌を発刊した。

1933年（昭和8年）3月

阪神電気鉄道株式会社の付帯事業として旧梅田停留場に「阪神マート」を開業

阪神電鉄では、電鉄の付帯事業として、大正年間から停留所構内で、直営洋食堂を兼営してきたが、1933年（昭和8年）3月29日、旧梅田停留場跡で阪神マートを開業した。これは、当時阪神電鉄が東浜に発電所を持ち、沿線の家庭や工場に対する電灯、電力の供給事業を兼営し、駅前の営業所で電球、電気スタンドなど電気関係の器具、部品を取り扱っていたので、電車の乗降客の利便をはかるため、これらの商品とあわせて食料品、日用家庭雑貨なども販売したのが始まりである。一方、食堂関係では同年12月旧梅田停留場楼上に「梅田和食堂」と喫茶室「H・E・R」を開業した。

1940年（昭和15年）5月

「阪神マート」を大阪駅前地下の本店の
現在地に移転

1939年（昭和14年）3月20日、阪神電車の大阪駅前地下延長線が開通し、翌21日、御堂筋角の地下へ移転した新梅田駅の地下2階、東改札口前広間の南側に「東阪神マート」がお目見えした。旧停留場跡の阪神マートは営業を続け、同年8月からは「西阪神マート」と呼んだ。翌1940年（昭和15年）の春、大阪駅前改造の土地区画整理・都市計画の両事業が完成し、各交通機関の乗降客、地上・地下の通行客が目に見えて急増。そこで阪神電鉄は、既設の東西両マートを閉鎖し、同年5月26日、梅田阪神ビル地下１階に新しい「阪神マート」を開店した。

※1943年、地下1階だけの阪神マートの売場風景(西館から東館を臨む)と、当時の店員の服装

1945年（昭和20年）10月

「阪神地下大店」を「阪神ストア」と改称

「阪神地下大店」は、終戦の混乱の中でも休業することなく、細々と営業を続けたが、1945年（昭和20年）10月1日、戦後の再建復興をめざして店名を「阪神ストア」と再び改めた。しかしながら翌年の12月には店名を戦前から顧客に親しまれた「阪神マート」と再び改めた。終戦後も物資の配給統制が続いたため、配給業務は「阪神マート」の営業の大きな柱であり、履物和傘・服装雑貨・保存食品・家庭用品・昆布などの各配給統制組合に所属し、大阪市北区内を中心に配給機関の役割を担っていた。配給統制以外の商品では、陶磁器類など日用家庭雑貨を中心に営業するほか、修理・加工など更生関係も手がけた。